シチズン 鉄道時計 クォーツ Ref.4769-T000185Y JR西日本 2003(平成15)年 CITIZEN RAILROAD POCKET WATCH QUARTZ Ref.4769-T000185Y SS JAPAN RAILWAYS WEST Ca.2003

1897(明治30)年、鉄道作業局(後のJR)によりウォルサムが標準鉄道時計として正式採用されました。これが最初の鉄道時計で交通博物館に保管され今もその姿を見ることができます。その後、ゼニス、セイコー、シチズンが採用されました。1983年の時計貸与規定によると、駅長・助役・車掌・機関方に対して時計の携行が義務付けられましたが、鉄道創業時、懐中時計は庶民が手を出せない高級品で、鉄道員は小型の目覚し時計を使用していました。そのことから、その職務に任命され懐中時計を貸与えられることは一番嬉しい出来事でした。現在では手巻式からクォーツに切り替わりましたが、人間工学的にも鉄道員の誇りの象徴としても優れた懐中時計が採用されています。運転台に設置された懐中時計なら、腕元を見ないといけない腕時計と違い、前方を見つめたまま確認でき、大型なので時間も読み取りやすいからです。最近はアナログ時計に慣れていない新人のために文字盤を見る訓練まで行うらしいです。

こちらのシチズンは国鉄民営化後の1987年から2000年代まで、JR西日本、JR四国、阪急、阪神、京阪、南海電鉄、近鉄、山陽電鉄、大阪市営地下鉄などの西日本側で採用されていました。シチズンの鉄道時計は使用年数が過ぎたら徹底的に回収されていたので大変珍しく一般的に見かけることはありません。Ref.4769-T000185Yの特徴はスクリュー式のリュウズと文字盤の「JR」のロゴです。スクリュー式のリュウズは乗務中の誤動作を防ぐためで防水のためでありません。正確な精度を求めるため、頻繁に時間を合わせている鉄道員からしたら手間にはなりますが、アクシデントのリスクを下げることが出来ます。文字盤のロゴは、時計を合せ鉄道に従事していることの誇りを感じるためです。

こちらは状態の良いお勧めの固体です。